• 北の風が吹くとき

    先日、夜中に猛吹雪の日があった。

    そんななか、仕事で呼び出しがあり、眠気と戦いながら身支度を整える。

     

    外に出ると、叩きつけるように風が吹き、顔に当たる雪はまるで針のようだった。

    正直嫌々ながら職場へ向かっていたのだけれど、ふと思った。

    こんな過酷な環境は、本州では想像もできないのではないか、と。

     

    北海道を「試される大地」と例える言葉がある。

    実際に暮らしていると、まさにその通りだと思う。

     

    だが、冬になると当たり前のように暴風雪に見舞われる。

    なんでわざわざこんな厳しい環境に住んでいるのか訊きたいぐらいだ。

     

    でも、きっとこの土地には、ここでしか感じられない何かがあって、

    それが自分の心を掴んで離してくれない。

     

    自然の迫力だけではない。

    そのなかで暮らす人々の営みや、そこから生まれる文化にも宿っているのだろう。

     

    北海道の広大な大地や、そこから生まれる風物に触れるたび揺れる自分の心は、

    まさしく北の風に靡いている。

    旗が靡くのを見て、風が吹いていることを知るように。

     

  • 批評ってなんだろう

    最近、何かひとつの物事に対して

    じっくり考えられる時間が減ったように思う。

     

    それは別に、外の世界に関心を持てなくなったとか

    一人で落ち着いて過ごせていないからではない。

     

    九時五時のおかげで金銭的には安定したし

    恋人と共にする食事は

    何よりも安らぎに満ち溢れてる。

     

    それでも、そうした生活のなかで

    感じたことを内省するという時間は

    少なくなってしまった。

     

    学生の頃のように

    文章を書くという機会が

    なくなってしまったからかもしれない。

     

    そこで、ふと思った。

     

    日々の思い出は、瞬間瞬間を

    写真や動画で切り取ってしまえばある程度はそのまま残せるだろう。

     

    だが、その節々で自分の内に湧き立つ機微というものは

    言葉にしないと残せないんじゃないかと。

     

    そうでもしないと、心という器官が

    次第に麻痺していくような気さえする。

     

    楽しかったとか、印象的だったとか

    その場で浮かんだ感想だけをなぞるだけでは

    どうも足りない。

     

    その時々に何を感じ

    どう揺さぶられたのかをもう一度掘り下げて考えてみたい。

     

    そんなことができる場所が

    欲しいと思った。